サンビオティック体験記

水稲栽培、くず米が減る不思議

植物の生理・生育を考えるとき、最も分かりやすいのは水稲、おコメかもしれません。
土づくりをして、植付け、栄養生長から生殖生長へと、季節の移ろいとともに生育ステージが変わっていく分かりやすいモデルです。そんな中で、土づくりと根の張りが、いかに生育、そして品質に影響するかという事例をご紹介します。

鹿児島県の農家Tさんは、国家公務員としての職務をこなしながら、代々受け継がれた田んぼでお米を作る兼業農家です。仕事をしながらの限られた時間の中で、効率よく美味しいお米を作るため、大変勉強熱心で、省力ながら良いコメを作るため、年々技術を磨いてきました。

あるとき、インターネットで、サンビオティックを見つけたTさんは、何か感じるところがありました。
「これは、いいかもしれない。」そう思ったそうです。それが、サンビオティック導入のきっかけでした。

導入して数年になるTさんの田んぼは、右の写真です。写真では十分に伝わりませんが、すぐ隣の対象区(同じ品種)と比べても、サンビオ区の生育の素晴らしいことがわかります。

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対象区(未使用)
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サンビオティック区

サンビオ区は、株の分けつが良く、がっちりしており、生育が早いことがわかります
きれいに揃った生育は美しく、近隣の田んぼと比べて、稲自体の力強さが違います。

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透き通った水がサンビオティックの特徴かもしれません。
美しく澄んだ水には、微生物が豊富でそれをエサとして、イトミミズが増えます。

以前、佐賀大学の先生が、菌力アップを使用した田んぼと、そうでない田んぼを比較されたとき、確かに生育が違うことや、ガスの発生が少ない事を確認されました。そのときに、気になることを言われたのを覚えています。

「土が細やかで、明らかにイトミミズが多いですね。」

土壌生物相が、いかに田んぼの、稲の生育環境を左右しているかを感じた出来事でした。
やはり、Tさんの田んぼも、多くの微生物や微小生物が発生し、稲の生育を支えているのだと感じます。

本当に生育良いですよ。不思議とくず米も減りますね。これ、早期米ですけど、味も良くて、評価は特Aですよ。サンビオティックに出会って、本当に良かったですよ。」とTさんは、いいます。

そうです。サンビオティックを導入したコメの栽培で、皆さん口をそろえて言われるのは、くず米がすごく少なくなったということです。

稲にとって生育にブレーキをかけてしまう最も見過ごされている要因は、未熟有機物によるガス害かもしれません。
前作のワラや、野菜の残渣など、やはり多かれ少なかれ、有機物残渣が残り、これが悪さをしてしまいます。
アオミドロなどの藻が異常発生したり、ガスわきによる根痛み、徒長、倒伏などです。

ところが、菌力アップをやることで、微生物が余分な有機物を腐敗させることなく分解し、有用物質に変えてしまうのでしょう。そして、水の溶存窒素を減らし、溶存酸素を増やします。
その結果、アオミドロが減少し、微小生物が増えて、土の環境が良くなります。

稲が健全に根を伸ばし、十分な栄養を吸収しながら、しっかりと光合成を行う環境が揃ったとき、デンプンが十分に蓄積され、くず米も減るのだと思います。

Tさんは、菌力アップや鈴成で土づくりをし、出穂期には、本格にがり純正木酢液を散布する徹底ぶりです。
兼業農家とはいえ、うまいコメを作るため、情熱を掛ければ、専業農家に負けない良いものが出来るということですね。美しく実り始めた稲穂に、改めて農業の素晴らしさを感じ、癒された風景でした。

ステージ品名施用方法
(10a当たり)
代掻き時菌力アップ10L流込み
元肥有機百倍60kg
鈴成100kg
追肥、出穂期有機百倍20kg×2回
純正木酢液葉面散布
×2〜3回
本格にがり

上の表は横スクロールで確認できます。

※本記事は、サンビオティック農業通信第25-0212号記事を加筆修正したものです。